僕の幸せは、星をめぐるように。
☆ ★ ☆
「んだら、まずはやりたい競技を各自黒板に書いてってくださ~い!」
騒がしいホームルーム中の教室。
髪の毛をこげ茶に染めた、アイラインきつめの女子がそう叫んだ。
ガタン、ガタンと椅子を鳴らしながら、3分の1くらいのクラスメイトが、我先にと黒板に向かった。
残り3分の1は友達と相談しあいながら、ワイワイと進む。
最後の3分の1は、ダラダラとやる気がなさそうにしていた。
わたしたちは、窓側の1番前の席に座っている阿部くんが頼みだった。
バスケやフットサルなど人気種目の文字の前に人が集中する中、
阿部くんは比較的すいている『卓球』の文字の下に、わたしたちの名前を書いた。
「阿部ちゃんサンキュー!」
阿部くんが自分の机に戻ってくる頃、クニオがそう叫んだ。
やった! 4人で一緒の種目なら体育大会楽しみかも!
しかし、次のトラック競技決めで、思いがけないことが起きた。
さっきと同じ戦法で、『玉入れ』の文字の下にわたしたちの名前を書くことに成功した。
ここまでは良かった。
トラック競技の割り振りが終わった頃、リーダー格の女子が大声でこう言った。
「う~ん、うちとしては~トシミちゃんにリレーの女子アンカーやって欲しいんだけど……。みんなもそう思いませんかー?」
え……!?