僕の幸せは、星をめぐるように。

その声たちを聞きながら、わたしはただただ下を向くことしかできなかった。


中学生の頃、わたしは、走り幅跳びの他、リレーの選手もやっていた。

足はそれなりに速いのだと思う。


今、クラスの注目を浴びているこの状況に、心臓の音が暴れ回る。


みんなの期待の声たちがぐるぐると渦を巻いていく。

その渦はわたしを飲み込み、この空間からわたし自身を消し去ろうとしていた。


やらなきゃいけない。

だって、みんながそう言っているんだから。


でも、怖い――。


みんなも喜んでくれると思って、必死に頑張っていたわたし。

結果、仲間だと思っていた人たちは、誰も手を差し伸べることなく、光が灯っていない目でわたしを嘲笑っていた。


喉の奥が痛くなり、口の中が酸っぱくなっていく。



ガタン――。



その渦から抜け出すように、

わたしはゆっくりと椅子から立ち上がった。


そして、


「ごめんなさい……できません。ごめんなさい」


と蚊の鳴くような声で謝ることしかできなかった。



離れた席に座っている阿部くんとユカチンは、たぶん事情が分からないんだろう。

心配そうな、気の毒そうな顔でわたしのことを見つめていた。