僕の幸せは、星をめぐるように。
☆ ★ ☆
「おらぁバッチリだ! なんたってユーチューブで愛ちゃんと佳純ちゃんの試合見まくったから」
そう豪語したクニオだったが。
「必殺っ! 王子様サーブ!」
「な、何ッ!? 球が……消えた!?」
微妙に間違ったサーブ名を勢いよく叫んだクニオに、相手チームが一瞬たじろぐ。
しかし、ポーン、ポン、ポン、と
ユカチンとクニオの後ろにピンポン球がむなしく跳ねる音が響いた。
すると、
「サー!」と言いながら、
一緒にダブルスをしているユカチンが、クニオにローキックをお見舞いしていた。
「暇だから応援来てやったら、おめーら負けてるでねーか!?」
「ほらほらークニオ本気出せー!」
花形のバスケやフットサルにクラスの応援が集中しているため、
卓球チームは第二体育館の隅でまったりと競技を行い、まったりとした応援をもらっていた。
「フ、そろそろオラの本気を出すときが来たか……」
一応テニス部のクニオはラケットと球の感覚がつかめてきたらしく、ラリーが続くようになっていた。
ユカチンも球を必死にラケットに当てて相手コートに返している。
卓球チームは、わたしたち4人の他、卓球経験者の男女1名ずつの6人チーム。
シングルス男子、シングルス女子、ダブルスの3番勝負だ。
シングルスは経験者の2人がガシガシ勝ってくれたので、
わたしたち4人は交代でダブルスに出ることに。
グーパでチーム分けをしたら、クニオとユカチン、わたしと阿部くんのペアとなった。