僕の幸せは、星をめぐるように。
それから、グラウンドで行われている、男子フットサルの応援へ行くことに。
ちょうどクラスの爽やかイケメンが、華麗にシュートを決めていたため、キャーキャーという歓声に包まれる。
いつもよりメイクが濃いクラスの女子に、突然ハイタッチを求められた。
うわ、すんごい盛り上がりだなあ。
ちなみにクラスTシャツは、黒地に水色で『壱年弐組参上』と描かれたもの。
体育大会に積極的な男女グループが、デザイン案を考えたらしい。
これじゃ部屋着にしかならないじゃん、と思ったけど、
クラスのみんなもそれに同意したので、結局このデザインに決まった。
卓球のまったり感からの突然の変化についていけないわたしは、
クラスメイトの塊のはじっこにいた。
すると、「お、いい男はいねがー?」「待って待って今探してっぺや」という話し声が横から聞こえてきた。
んんん?
その声の発生源は、対戦相手である2年4組軍団の女子たち。
応援そっちのけで、わたしたちのクラスの男子を物色しているらしい。
「あたしは、今シュート決めた子!」
「えー何かチャラそうでね? うちはあの奥にいる塩系イケメン男子。まじ推しメン!」
「あ、知ってる! 関東から来た子だべ? 他の子とちょっと雰囲気違うよね」
「分かる~! 私もひそかにチェックしてだぁ!」
「えー微妙。あたしはもっとガタイ良いのがいい~」
別に聞きたいわけではないけど、キャッキャと話す大声が自然と耳に入ってくる。
えーと、塩系男子って?
塩顔……薄めのイケメン顔ってことだっけ。
しかも、関東から来たって。
もしかして……阿部くんのこと!?
うお。ひそかに年上から人気、って本当なんだ。
そんな阿部くんは試合の応援をしながらも、クニオや他の男子とじゃれあっていて、やっていることは年相応な感じだけど。