僕の幸せは、星をめぐるように。



それから、グラウンドで行われている、男子フットサルの応援へ行くことに。


ちょうどクラスの爽やかイケメンが、華麗にシュートを決めていたため、キャーキャーという歓声に包まれる。

いつもよりメイクが濃いクラスの女子に、突然ハイタッチを求められた。


うわ、すんごい盛り上がりだなあ。


ちなみにクラスTシャツは、黒地に水色で『壱年弐組参上』と描かれたもの。

体育大会に積極的な男女グループが、デザイン案を考えたらしい。


これじゃ部屋着にしかならないじゃん、と思ったけど、

クラスのみんなもそれに同意したので、結局このデザインに決まった。


卓球のまったり感からの突然の変化についていけないわたしは、

クラスメイトの塊のはじっこにいた。


すると、「お、いい男はいねがー?」「待って待って今探してっぺや」という話し声が横から聞こえてきた。


んんん?


その声の発生源は、対戦相手である2年4組軍団の女子たち。

応援そっちのけで、わたしたちのクラスの男子を物色しているらしい。


「あたしは、今シュート決めた子!」

「えー何かチャラそうでね? うちはあの奥にいる塩系イケメン男子。まじ推しメン!」

「あ、知ってる! 関東から来た子だべ? 他の子とちょっと雰囲気違うよね」

「分かる~! 私もひそかにチェックしてだぁ!」

「えー微妙。あたしはもっとガタイ良いのがいい~」


別に聞きたいわけではないけど、キャッキャと話す大声が自然と耳に入ってくる。


えーと、塩系男子って?

塩顔……薄めのイケメン顔ってことだっけ。


しかも、関東から来たって。


もしかして……阿部くんのこと!?


うお。ひそかに年上から人気、って本当なんだ。


そんな阿部くんは試合の応援をしながらも、クニオや他の男子とじゃれあっていて、やっていることは年相応な感じだけど。
< 40 / 317 >

この作品をシェア

pagetop