僕の幸せは、星をめぐるように。
何だよ、優勝もうできねーじゃん、と愚痴る男子。
あーあ、3日間頑張ったのに……と、落ち込む女子。
皆誰かのせいにしたくて、でもそれはナナミちゃんのせいではないから、
あーあ、という低い声でその悔しさを晴らすしかないんだろう。
陣地に戻ってきたナナミちゃんは、泣きながらごめんなさい、と何度も皆に謝っていた。
「ま、いーんでね? ナナミちゃんもみんなも頑張ったべや」
クラスメイトからそんな声と拍手も聞こえてきたけど、
閉会式が終わり、打ち上げしようー! と騒いでいる男女の間をくぐり抜け、
わたしは誰にも存在がばれないようにして、教室を出た。
「ってかナナミかわいそうでね? ……あんなん晒しあげだったじゃん」
「トシミちゃん、スポーツテストの50mダントツだったし出れくれればよかったのに~」
そんな会話を後ろにしながら。