僕の幸せは、星をめぐるように。


☆ ★ ☆


球技大会の代休のため、今日――月曜日はヒマだった。

ワイドショーを眺めながら、ごろごろと居間のソファーに寝転がる。


体育大会が終わってから、ずっとわたしは考えていた。


集団の中で上手く、わたしは立ちふるまっているはずだった。

みんなの期待に応えて、リレーに出れば良かったのだ。


でも――できなかった。


どうしても、あの時の記憶が思い出される。怖い。


結果、体育大会で入賞はできたけど、優勝は逃した。


もう、わたしはあの集団にいない方がマシなのではないだろうか……。



有名女優に不倫疑惑発覚! などとテレビの音がうるさかったので、

チャンネルを教育テレビに変えてから、適当にスマホをいじる。


クニオもユカチンも部活だろうし、今日は一日ダラダラしてようかな。


そう思っていたら、阿部くんからラインが来た。


『トシミちゃん、今日用事ある?』


『ないよー』


『まじ? じゃあさっそくだけど( ̄ー ̄)』



そういえば、手伝って欲しいことがあるって言ってたっけ。

あと、で、デデ、デートしよって!


思わずガバッ、とソファーから体を起こしたが、

ジャージとか動きやすい格好で来てね、と再びラインが来ていた。


ん? どういうこと?


結局、中学時代のジャージのズボンにパーカーを羽織り、ワンスターを履いて、阿部くんの家へ向かって自転車を走らせた。

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