僕の幸せは、星をめぐるように。
「にゃーお」
「ほれ、クロ、そっちさ行くでね。トシミちゃん、手伝ってけてありがとう。せーいちもこったなめんこい子連れてきで~」
一匹の黒猫がそのへんをうろうろしている中、
新鮮な野菜の料理と艶やかなご飯をいただく。
阿部くんのおばあさんは、少し腰をかがめながら皺たっぷりの笑顔をわたしたちに見せた。
「いえいえ、楽しかったです。って、美味しい~! ありがとうございます」
「片づけとか後はおれがしとくから、ばーちゃんは休んでて」
わたしも、阿部くんのお気に入りだという、きゅうりオンザ明太子を食べてみた。
おお、うんめ~!
阿部くん家の居間でテレビを見ながら、
夢中になってご飯を食べていると、
窓の外からパラパラと雨が降る音が聞こえてきた。
「あー降ってきちゃった。どっか出かけようと思ってたのに~」
と阿部くんがつぶやく。
結局デートはまた今度ということになり、雨が弱くなるまで阿部くんの家にいさせてもらうことに。