僕の幸せは、星をめぐるように。


「グラデのアイシャドウならいいんでね? アイラインだけだと微妙だし~」

「ねーこれちょっと髪染めすぎたかな?」

「全然分かんねーし。ミストで染めてんだべ?」


その女の子たちは、教室の中心に机を3×2で向かい合わせに並べ、

バレないメイク(普通にバレる)や、バレない茶髪の仕方(これもバレバレ)のお話を楽しそうにしている。


わたしもそのはじっこの席でお弁当を開けた。


すると、

「わートシミちゃんのお弁当、マジうけるー!」

と正面に座っていたミスト茶髪女子に笑われた。


ん?


自分のお弁当箱を見てみる。


2段になっていて、下段にはいつもご飯が入っているのだが、

今日は白ご飯の上に緑色のお茶漬けのもとがかかっていた。


「それふりかけじゃなくてお茶漬けのもとじゃん! おかしいってー!」

「え……そうかぁ?」


母が作るお弁当はいつもファンキーなため、こんなの日常茶飯事だ。

むしろ今日はマシな方。

この前のオム赤飯の方がすごかったんだけどなぁ。


気がつくと、笑いはどんどん伝染し、目の前の5人全員が手を叩いて笑っていた。


なにがそんなに面白いのだろうか。

もうユカチンの電気ポットを借りて、お湯を入れてちゃんとお茶漬けにしてやろうか。

いや、それだと母の意図に反してしまう。


「トシミちゃんっていいねー」

「んだ! 面白い子めっけたー(見つけた)って感じ!」


キャッキャウフフと話しながらご飯を食べる女の子たちに微妙についていけないわたし。

適当に相槌を打ちながら、その緑色が染み込んだご飯を口に入れていた。

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