僕の幸せは、星をめぐるように。



何、これ?



クラスの派手女子たちが、

「トシミちゃんって、中学の時、幅跳びで東北大会出たらしいっすよ!」と言うと、

「んだか! ということで、ちょっとここで見本見してくれねが?」

と、筋肉質の先生がニコニコと笑いながら、わたしに言った。


「わートシミちゃんの幅跳び見たーい!」

「俺同中だったけど、あいつ、そのへんの男子より跳んでたべ」


まわりの女子男子たちから、そんな声が聞こえてきた。


え? 何だぁ~?

と長距離走や走り高跳びを選択しているはずの生徒たちも数人集まってきた。


じわりと首筋に汗がにじむ。

何でこんなことになっているんだろう。


高跳び用のマットを阿部くんと一緒に運んでいるクニオが、心配そうな顔でこっちを見ている。


今のこの出来事が夢の中のような、または、自分がどこにもいない映像のように感じた。



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