僕の幸せは、星をめぐるように。
あ……だめだ。
息切れが激しくなり、意識が遠のいていく。
同時に鮮明に思い出す――
柔らかいはずの砂の下に隠された、複数の大きな石たち。
着地した途端、おかしな方向に足がひねられ、同時に襲われた叫ぶことができないほどの痛み。
何が起きたんだろうとパニックになりながら見たものは、
『あーあ、これじゃあ次の大会は無理でね?』
『まーじ残念ですねー。ト・シ・ミさん』
と、光が灯っていない目で嘲笑う、仲間、だと思っていた人たちの姿――。
その場面がゆっくりと波を打つように歪んでいき、
急に視界が『今』に戻る。
しかし、わたしを囲む景色――たくさんの目と奥の砂場、落ちてきそうな重い色の空、全てに細かいモザイクがかかっていく。
あれ、何かが変だ……。
おかしい。
そんなに疲れていないはずなのに、わたしの息切れは止まらない。
突然、踏切り板を手前にして、走るスピードを緩めたわたしに対し、ざわついた声が聞こえてくる。
――いや、止まりかけた足と反比例。
呼吸は勝手に速度を上げていく。