僕の幸せは、星をめぐるように。
え? 何、これ!?
「……っ! はっ、はぁ!」
その場に立ち止まり、急いで胸に手を当てる。
息が……息が……!
その場にかがみこみ、呼吸を整えようとしても、勝手に肺がスピードを上げるため、小刻みに空気は吸い込まれては吐き出されていく。
苦しい! 何で? 止まらない!
ねじを限界まで巻ききったおもちゃのよう。
鼓動も早くなり、手足が上手く動かせず、わたしはその場に屈みこんだ。
「トシミちゃん!! 大丈夫?」
「ど、どうしたの!?」
そんなわたしの様子を見て、女子たちから悲鳴が漏れる。
「おい、過呼吸か? わ、そのへんに紙袋はねが!?」
先生の慌てた大声も聞こえてきて、ギャラリーが一斉にそわそわと動き出す。
「はぁっ、はっ!」
やだ、苦しい!!
息ができない! 死んじゃう!
まわりが慌てだすと同時に、わたしもパニック状態になり、苦しさが更に増していった。
――わたしは、一体、何を期待して飛ぼうとしたのだろう。
飛べるかと思った。
わたしが飛んだら、みんなが喜んでくれると思った。
飛びたかった。
もし上手くできたら、あの嫌な記憶を忘れられるかと思った。
また調子にのったからだ。
あの頃から何も反省してないじゃん。
わたしはなんてばかなんだろう。