僕の幸せは、星をめぐるように。
5月/May この町に生きる僕たちの
今日は5月のくせに、夏日になるらしい。
青い空に白い雲。
風に揺られ、どおっ、と音を出す、青々とした木々たち。
ヒョッヒョッヒョヒョヒョ、とどこからともなく鳥のさえずりが聞こえてくる。
「ちかれた……」
おてんとさままで続いているような木製の階段を
わたしはお気に入りの赤い星のワンスターを履いて、登っていた。
この階段は全部で350段もあるらしい。
半分くらい登り終えた頃には、パーカーの内側は湿ってきて、膝も疲労でガクブル状態に。
中学の頃、鍛え上げた筋肉のほとんどは、
今ではもうただの緩ーいお肉になってしまった。
きっとジューシーな脂身も増え、前沢牛並みのランクになっているはず。
(体重はあんまり変わっていないけど)
あ~霜降りステーキ食いてぇな~と思いながら、息切れとともに、自然に囲まれた階段を上がっていった。
次第に観光客を乗せたらしい大型バスの音が近づいてくる。
それと同時に、ようやく広い駐車場と、目的地の門が見えてきた。