僕の幸せは、星をめぐるように。
「あ、阿部、くん……?」
吐いて、吐いて、吸って、というようにゆっくりとした呼吸を繰り返すうちに、次第に息切れはおさまっていった。
同時に意識もはっきりしてくる。
ふわりとした湿度の高い風が吹いていることを感じた。
「良かった。トシミちゃん頑張ったね。保健室行こう」
目の前には、しゃがんでわたしの体を支えてくれている阿部くんがいた。
そう言って、彼は柔らかく目を細め、涙袋を見せながら優しく笑った。
まだ、心の中も、体の中も、全部がぐっちゃぐちゃになっている。
でも、大丈夫だよ、とか、頑張ったね、という彼の言葉が、私を再び形成してくれるような気がした。
わたしたちのまわりを輪のように囲んでは止まっている生徒たちと先生の中、
「「トシミー! 大丈夫!?」」
と、ユカチンとクニオも飛び出してきた。
そして、3人に支えられながら、わたしは保健室へと向かった。