僕の幸せは、星をめぐるように。
☆ ★ ☆
気がつくとわたしは星空の中にいた。
嫌われ者のわたしは、地上のみんな、東西南北の青や白のお星さま、みんなに断られ、行く場所がない。
それでもわたしは懸命に飛んでいた。
ボロボロになりながら。
しかし、ごうごうと明るく光る、赤や白や青の星たちの中、
次第に落ちてるのか、登っているのか、上か下どっちを向いているのかも分からなくなってしまっていた。
もうだめかと持ったその時、
わたしを呼ぶ、温かい光のような何かがあることに気がついた。
あれれ?
あのお方が作った通りにお話が進めば、
このままわたしは星になるんじゃないのかな?
いや、わたしなんかにそんな資格はない。
まだ現実の中でもがいていないといけないのだ。
わたしは、自分がどうなろうとかまわないと思いながら、わたしを呼ぶ方――その光に向かって、懸命に右手を伸ばしていた。
――ん? 夢?
ぱちり、と目を覚ます。
ふんわりとした白い布団に挟まっているわたし。
少し黄ばんだ天井が目に入った。
右手が温かい。
すーすーと寝息も聞こえてくる。
――じゃじゃじゃ!?
おかしな声をあげそうなくらい、わたしはびっくりした。
わたしの右手を軽く握り、椅子に腰かけながら、ベッドに突っ伏して眠っているのは――
「あ、阿部くん?」
「……んぁ?」
すぐ近くに彼の顔があったため、テンパっているわたしに対し、阿部くんは寝ぼけまなこで可愛い声をあげた。