僕の幸せは、星をめぐるように。
「幅跳び自体は好きだったけど、練習とかトレーニングはしんどかったし、もう部活とか入る気もないし、いいんだけどね」
そう言って、話を終わらせると、
「そっか。そうなんだ」
と阿部くんは表情を変えないまま、つぶやいた。
キーンコーンカーンコーン、と昼休みの始まりを告げるチャイムが鳴る。
「あ、ごめんね! 変な話しちゃって」
我にかえったわたしは急に顔が熱くなってしまい、
繋がったままの手を引っ込めようとした。
でも、阿部くんは「全然」と言ってその手を離さなかった。
どきんと大きく心臓の音が鳴る。
どうしよう、手汗かいちゃってるかも。
恥ずかしいような、もっと繋がっていたいような。
一瞬だけ、胸のこそばゆさを感じたけど、
わたしはすぐに気がついた。
――何かが、違う。