僕の幸せは、星をめぐるように。
☆ ★ ☆
確か、5月のはじめの頃。
ユカチンと仲良くなったわたしは、2人で市内のデパートにご飯を食べに行った。
「あたし、中学の時ハブられたことあんだよね」
そう言って、ユカチンは10段重ねになっているソフトクリームを
下段から上段へ向かって割りばしですくい上げた。
「そうなんだ……」
「あ、トシミ。そっち側とけてるし。垂れるってー!」
「うおっ、やばっ!」
雫が垂れそうになっている自分のソフトクリーム。
わたしは急いでそれを割りばしですくい上げた。
リーズナブルなのにボリューム満点、かつメニューも豊富なこの展望レストランは、
デパートの6階に位置しており、市内の風景が遠くまでよく見える。
フロア全体にイスとテーブルが広がっていて、ほとんどの席が家族連れや高校生などで埋まっていた。