僕の幸せは、星をめぐるように。
わたしはテーブル上のポットからグラスに温かいお茶を注ぎ、それを渡しながら、
「わたし、ユカチンの妙なセンス、好きだけどなぁ」
と頬杖中のユカチンに言った。
「は? 妙って? ふっ○ちゃんは王道の可愛さだべ?」
「いやいや、そこでねくて。わたし、4月でこのクラスになって、ユカチン見てすぐ仲良くなってみたいって思ったから」
4月頭。
次は理科室での授業であることを忘れて、わたしはのんびりトイレで用を足していた。
やばい、授業遅れる~とテンパりながら教室に戻ると、
ポツンと真剣な顔で本を読んでいるユカチンがいた。
「その時、もうみんないなくなってるのにユカチン『人生がときめく片づけの魔法』って本読んでたべ? なんか面白そうな子だなって思った」
「だって超マジで読んでたんだもん。ベストセラーだべや、その本」
「んだよね! 今度貸してけれ!」
「別にいーけど。……トシミがそこで声かけてくれて本当に良かった」
「え? 何か言った?」
「何もねーし。ほれ、ソフトがテーブルに垂れてっぺよ」
「わー。しまったー!」