僕の幸せは、星をめぐるように。


しんなりした黒髪に、Tシャツにハーパンにクロックス。

部屋着は中学の頃と変わっていないけど、肩幅が広くなり、背も高くなった。


ぽつぽつとした街灯に照らされた、一車線の道路。


ライトを点灯させながら走っている、自転車のヘルメット軍団が遠くに見えた。


到着したのは、幼稚園や小学校の頃、クニオも含め、近所の友達とよく遊んでいた公園。


芝生が広がっていて、その周りにブランコや滑り台、うんていなどがある。


高校生にもなるとその遊具たちは、まるで大人が三輪車に乗るように、

わたしたちにとっては不自然なサイズになっていた。


この公園の奥は山になっていて、その山腹には釜石線が通っている。

そして、その上には、わたしたちが通った小学校がある。



「ねーねー、聞きたいことって何?」



芝生の中、ところどころに三つ葉とシロツメクサが広がっている。

その花を踏まないようにゆっくりと足を進めた。


背の高い街灯が遠くからクニオを照らし、その背丈の2倍くらい長い影を暗い緑の地面に映し出している。


ガサリと足元で音を鳴らしながら、クニオはもごもごと口を開いた。


「その……あの……ぜってー笑うなよ。ユカチンって彼氏とか好きなヤツとかいたりすんの?」


「え? 何で何でー!」


「バーカ、おめぇ声でけーし」


「ユカチン、彼氏はいねーはずだけど。好きな人いんのかなぁ。いーよ聞いてみっか」


「いやいや、やっぱいい! いや、まじ気になる!」


もー。どっちなんだい!
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