僕の幸せは、星をめぐるように。


「特別におめぇさ教えてやろう。あいつ、あんまそーゆー話してくんねーけど、俺と同類ってことまでは分かっている」


「はぇ? 同類って?」


「彼女なし、んで、童貞ってこと」


「はあ!?」


クニオのやつ、どーでもいい情報教えやがって。


でも、そうなんだ。


阿部くんモテそうだし中学のときとか彼女いそうなのに。

いや、彼女はいたけど、健全なお付き合いをされてきたとか?


だったら何であんなに女の子慣れしているんだろう。

何であんなに落ち着いて過呼吸への対応もできるんだろう。


考えるほど不思議なひとだ。


前に農作業手伝った時も、阿部くんは普通にわたしを部屋に入れてくれた。

でも、いつも通りで落ち着いていた。


わたし、女の子として見られていないのかなあ。


だって、クニオだって中学以降ははわたしが部屋に行くと、結構気を遣ってくるよ。

部屋片付けたり。そわそわしたり。

エロ本隠してるだけかもしんないけど。


いや、阿部くんはDVD派かもしれないし! あのCDの棚の中にいくつか混ざってたのかもしんないし! いや、今はネットの時代ってやつ!?


って何考えてるんだ、わたしは!


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