僕の幸せは、星をめぐるように。
8月/August ご近所さんの幸せを願う頃
眠い目をこすりながら、
セミの声の間をよろよろ歩く。
しかし、すぐ目の前。
まぶしい朝日が反射していたため、一気に目が覚めた。
「あれー! ユカチン、頭!!」
「頭? あ~髪の毛ね。夏休みだしいーべ?」
集合場所である新幹線の駅に現れたユカチン。
いつものボブの髪の毛は、金髪になっていた。
ちょっとアッシュが入っている感じの。
Tシャツにひざ下丈のサルエルパンツというフェスファッションによく似合っている。
そういえば夏休みになったら一回だけ金にしてみたい、って言ってたな。
いいなぁ~!
「おおお、ユカチンかっけー!」
「いいなぁ。似合ってるね」
Tシャツに柄のハーパン&レギンス姿のクニオ。
阿部くんは、ギンガムチェックの半袖シャツに足首をまくったチノパン。
2人ともいつもよりカジュアルだけど、それぞれの個性は出したままだ。
わたしも、動きやすいようワンサイズ上のTシャツにデニムのショーパンを合わせてみた。
おお、この集合の時点から、ロックフェスが始まっている感じ。
何か楽しいな~!
「あ、阿部くんのかばん! わたしのと一緒だ」
「ほんとだー。おそろいだね」
わたしのリュックと阿部くんの斜めがけショルダーは、どっちもカラフルなスウェット生地。
ペンギンによく似たカツオ鳥という動物がキャラになっている、人気ブランドのものだった。
えへ。ちょっと嬉しいな。
そんな会話をしながら、新幹線のホームへ向かった。