僕の幸せは、星をめぐるように。
ユカチンパパから宿泊の許可がおりなかったため、行きは新幹線+特急、帰りは夜行バスという弾丸ツアーになった。
始発のはやぶさで出発したため、上野までは4人とも爆睡。
そして、都会から再びのどかな風景に向かっていく特急電車にて。
「やっべ、こことここの時間帯見たいの被ってたぁ!」
「あたしは絶対こっち見る」
「あ、このバンドも出るんだ。見に行こうかな~」
「フェスTってすぐ売り切れるべ? 早めに見に行こーよ」
座席をくるっと回転させ、
わたしたちは今日のロックフェスのタイムテーブルを見ながらわいわいと旅を楽しんでいた。
ちなみにユカチンとはゆっくりと恋バナをする間もなく、夏休みが始まってしまった。
わたしは阿部くんにあのことをラインで相談済みだった。
意外と阿部くんもノリノリで、クニオを男にしてやろうね、と返信が来た。
フェスも楽しみだけど、こっちも楽しみだなぁ。
絶対にお似合いだと思うんだけど。
目の前で、おやつを取り合っているユカチンとクニオを見ながら、わたしはそう思っていた。
クニオのバカさも、ユカチンのツッコミによってより冴えてる気がするし、
ユカチンもクニオといると毒舌が更にバージョンアップしてイキイキしている気がする。