僕の幸せは、星をめぐるように。

うし、このフリーダムな雰囲気のままに、さくっと聞いてみようかな。


「トシミもチキン食う?」

「わーい食べるー! そいえばさ~ユカチンは好きな人とかいねぇの?」


わたしは、そう聞きながら、ユカチンが手にしている大きなチキンをはむっとくわえた。

うんめぇ~!


頭からタオルを被って座っているユカチン。


意外とわたしの一口が大きかったのか、手にしたチキンをチラッと見た後、

頬にはりついている金色の髪の毛をぺっと手で払った。


「……人にプライベートなこと聞くときは自分のも暴露してくださーい」


ユカチンはそう口を尖らせて、少し骨があらわになったそのチキンを食べた。


ちょうど、わああああ、とステージ方面からお客さんたちの波のような歓声が聞こえてきた。


『みんなも大切な人っているよね? それぞれ大切に思う人をいっぱい愛してあげてください。では最後の曲は……』

有名女性アーティストがお客さんにメッセージを添えて、優しい曲を演奏し出した。


わたしはもりもりとグリーンカレーを食べていたが、ごくりと一口飲み込んで、少し曲に頭を揺らしてから、ユカチンの発言の意味をようやく理解した。


「ぶえぇっぷ。ゲホゲホ! や、その、あの!」


「もーごはんつぶ出てっぺや。あんたテンパリすぎ。で、阿部くんとどーなってんの?」


「どうって。別になんも、なんもだぁ~」


あれ? わたしがユカチンに聞きたいはずなのに、なぜか立場が逆になっている……。

こーなったら、ええい!


「わたしは、阿部くんを好きかまだ分からないけど、気になってるかも! はい、言ったべ? ユカチンは?」


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