僕の幸せは、星をめぐるように。
「しかも終わったら花火あるらしいじゃん。クニオくん、そこでですよ。さりげなく……」
と言いながら、阿部くんはクニオの手を取る。
「きゃー! それ絶対やばいって!」
わたしもバシバシとクニオの肩を叩いた。
「だあああ! ……おめぇらオラで楽しんでねーかぁ!?」
クニオがそう叫び、わたしたちをはねのけると、
「そんなことないよ~」とわたしと阿部くんの声がハモる。
……いや、完全にわたしも阿部くんも楽しんでいるよな、これ。
「大丈夫、あたってくだけても、ユカチンはちゃんと友達でいてくれるって」
「ま、もしものときは、パーッとやろうよ。パーッと」
「んだんだ。クニオ、しーんぱーいないさぁーーー!」
「ちょ、トシミちゃん、それマジうけるから!」
わたしがいい声でエールを送ると、阿部くんはツボったようでお腹をかかえて爆笑しはじめた。
「もうオラ泣きそう……」
ハム汁を片手にさらにちっちゃくなるクニオを見て、
こんなんだからおめーは童貞なんだよ、と言いたくなったけど、あぶないあぶない。
阿部くんもそうなんだった。
ま、わたしもそういう経験は全くないんですけどね。
でもクニオとユカチンがお互い幸せになったらわたしも嬉しい、と思った。