僕の幸せは、星をめぐるように。
「でも、勝手かもしんねーけど、おめぇに無視されるのは寂しいべや~。俺、その、トシミのこと大切な友達だと思ってっから」
わたしの前には、夕焼け空の下、うなだれているクニオの姿があった。
こいつは、いったい何を勘違いしているんだ。
要は、わたしがそっけない態度を取っているのは、わたしがクニオを好きだから。
それに対し、クニオはわたしを恋愛対象として見れない。
でも、これまで通り、わたしと友達として仲良くしたい、ってことか。
……ここまでバカだと、逆に天才なのかもしれない。
カァーカァー、と遠くからカラスの鳴き声が聞こえ、
はぁ~、とわたしの口からため息が漏れる。
そして、わたし自身も何てバカなことに頭を費やしていたのだろう、と思った。
「ごめん。んだよね。わたしとクニオの仲だしね。わたしも今まで通りがいい」
そう言って私が笑うと、クニオはこう続けた。
「いや~でもモテるって気分悪くはね~な~。とうとうオラの時代がやってきちゃったってやつ~? ほら、天才って生きてるうちには認められないって言うジャン」
目の前でカッコよくもカワいくもない戯言を吐かれ、
イライラ度MAXになったわたしは、ヤツのケツに向かってキックを放っていた。
「ってかね、おめぇ、何か勘違いしてっけど。わたしにも選ぶ権利っつーものがあんだよ!」
いてぇ~、と情けない声を出しているクニオを置いて
わたしはプンスカと家に帰った。
次の日、たまたま校門で一緒になったわたしたちは、一緒に教室に向かった。
すると、「うぅわ、ラブラブしてんでねーよ」とガキンチョ男子に冷やかされた。
わたしは、クニオが「うるせー」と言おうとしている間に、こう言い放っていた。
「友達同士一緒に登校したって別にいいべ?」