センセイって。
「えぇ…マジかぁ…」

1人でズッコケた恥ずかしさを誤魔化すように、独り言が増える。

「なんでこんなところまで根っこがあるのよ…」

木なんて1mは先にある。どんだけよ!

「新しい制服なのに…もうホント最悪…ぃっ?!」

制服に付いた土を払いながら起き上がろうとすると、右足に鈍い痛みが走った。

あちゃー、これはやっちゃったかな。
多分捻ったかくじいたかだろう。

しまったな…これじゃあ歩けないじゃないの!

集合時間まではあと15分ほど。
まだ玄関も見つけられてないのに、足を引きずったままじゃあ遅れるのがオチだろう。

しかも転んだときに付いた土は雪解け水で湿っていたようで、なかなか落ちてくれない。

「遅れる上にこんな格好で入学式なんて、惨めすぎる…」


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