君と願ったたった一つのもの
関係ない
「佐野先輩‼︎」

丁度廊下にいた佐野先輩。

こっちを見て少し目を見開く。

だけどそれはほんのわずかで

すぐに顔色が悪くなる。

「あの、佐野先輩…」
「…」


佐野先輩はずっと黙ったままだった。

周りの三年生の人たちが私を見る。

だけど、そんなの関係ない。

私が今しなくてはいけないこと。

それは佐野先輩にもう一度、気持ちを伝えるということ。

今度はちゃんと、返事が欲しい。

「あの、話したいことがあります」

またシケるのかなって思っていたけど…

「それって、俺と君がきょうだいって話⁇」

そう、佐野先輩は私に言った。
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