そこにいる
「悠吾(ゆうご)!」


僕は、幼なじみのシンから呼ばれ、振り返った。



「オス!…アレ?な~んかシケた面してるねぇ~。菜都(なつ)となんかあった?」



シンはどんな時も大抵ニコニコしている。


だから女ウケはかなりイイ。


よってガールフレンドは多い。


しかし特定のカノジョは作っていないらしい。


色んな子と仲良くしたいから、1人の子に縛られるのはイヤだとか・・・。





「いや・・・そんなんじゃナイよ・・・・」




シンに比べれば、女友達の数なんて無いに等しい僕。

しかし、シンには居ないカノジョが僕には居る。

今年、高校に入学してすぐ、お世辞にも容姿、性格共に目立つとは言えない僕に、告白してくれたコがいる。


その子の名前は城崎菜都(しろさきなつ)。


8クラスある、僕たちの学年の中でもトップを争う美人。





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