そこにいる
そうか・・悪人とは、別に悪い事を『実行』した人間に限っていたワケでは無いんだ。

フタを開ければ、どんな人にもその両方が存在する。

どんな人間も、悔しい思いをした事は必ずある。

しかし、それを世の中の倫理の『正』に従って、うまく押さえ込む事が出来た時が『善人』を表の顔として生きる事が出来る。

心の中で、どんな恐ろしい事を考えていたとしても・・・

だからアイツはそんな事を言っていたのか・・・


『恐ろしいですね・・・人間とは・・・』
・・なんて。



「あ・・有り難うございました。とりあえず・・菜都の所に戻ります。」


「そう、コレで役に立てるといいけど。

僕も昔の知り合いには助かってもらいたいし。」


「はい・・じゃぁ・・・」


僕は、先輩への挨拶もソコソコ部屋を飛び出した。





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