そこにいる
「・・・小坂先輩は、3年の女子からモテるんじゃないですか?」
小坂は菜都の質問に対し、特に気に留める様子もなく答えた。
「どうかな。」
「だって・・・小坂先輩の読んだ本・・3年女子がこぞって借りてるじゃないですか。」
菜都は人差し指を顎に当て、今度は横目使いで小坂を見た。
「一つ質問していい?」
はじめて小坂が菜都に話し掛けてきた。
菜都の瞳が、嬉しさでキラリと光る。
「はい、なんでしょうか?!!」
満面の笑みで菜都は小坂を見つめた。