初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
「次に会った時は話逸らさないで答えろよ」


そう言って江崎課長はエレベーターに乗って行った。

話逸らさないで…って、まさかさっきのこと?

江崎課長もあまり気にしてなそうだったし、私はというとすっかり忘れていた。

しかし江崎課長はちゃんと覚えていて、ご丁寧に釘までさしてくれた。


「次って金曜日…?」


ううん、今日みたいにばったり会うかもしれない。


『江崎課長がかっこいいから見つめてました』


…無理だ。
頭の中で言う場面を想像するも、恥ずかしさでどうにかなりそうだ。

でも言わないとダメかな…なんか付いていましたって言っても、じゃあとれよってなるもんね。

どうしたものか…。


「あ!小西先輩いた!もう始まってますし、課長がお呼びですよ!」

「え、嘘!」


後輩に声をかけられて時計を見ると、昼休みが終わって5分は経っていた。

時間を気にしないぐらい、考えていたということか…私本当に大丈夫?

自分が自分ではないみたい。


「先輩!こっちの世界に戻って下さい!」

「ご、ごめん!」


どうやら相当あの甘い閻魔課長にやられているらしい。
< 34 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop