初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
8.憧れか恋か
さすがに次の日には来ないだろうと、油断していた私。
「小西先輩、この出張手続きの記入されていないところどうしたらいいですか?」
「あ、本当だ。えっと、真由ちゃんはやりかけの仕事あるよね?」
「はい」
そう聞くと、後輩である真由ちゃんはこくりと頷いた。
「じゃあ私確認してくるよ」
「ありがとうございます!」
仕事が出来てしまった。
しかも営業課に。
相手は江崎課長ではないけれど、江崎課長と同じ課だ。
これは見られるチャンスではないですか。
嬉しいという気持ちとは違うけど、なんかワクワクする。
まさか由依の無茶ぶりにも聞こえるあの言葉が現実になるなんて。
由依はやっぱり色んな意味で凄い。
営業課のある6階に着くと、何故か緊張してきた。
別に営業課に来るのは初めてじゃない。
何度も来ている。
(まぁ江崎課長は毎回いらっしゃらなかったけど)
だから緊張なんかしないはずなのに。
江崎課長のことがあるからかもしれない。
仕事する姿を見て、ただの憧れだったと分かったら怖いから?
「ダメダメ!今は仕事中よ私!」
仕事に私情は持ち込むべきではない。
そう思い、自分に喝を入れ営業課のフロアに入った。