初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
「原さんなら今江崎課長のところ。本当タイミング良いねー」


そう言った由依はこっちこっちと私を手招きしてくる。

不思議に思いながら、ついていくと前を歩いていた由依が指差した。


「あそこよ」


…ん?
あれ、江崎課長?

角度的に見えるのは江崎課長の斜め顔と、ふわふわした黒髪の男性。
多分原さんだろう。

見える江崎課長の顔は中々険しい。

…まさかこれが閻魔様の裁決ってやつですか?

よくよく耳をすますと、微かだが声も聞こえてくる。

江崎課長は私が知っている声より、1トーン低い声で話していた。

怒鳴るイメージがあったけど、そうではなく静かに怒って相手をジリジリと追いつめる感じ。

怒鳴られるより全然怖い。

でも怖いとは思うけど、そうやって部下に真剣に怒る江崎課長はかっこいいと思った。

真剣に怒るってことは、仕事に対して真面目に取り組んでいて、部下のことも想うがゆえってことでしょ?
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