初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
19時前。
適当に駅構内にある本屋で時間を潰し、10分前に出てきた私は、会社より二つ先の駅前で待っていた。
例のイタリアンレストランのあるところは、会社より少し離れている。
何故ここにしたのかというと、2人の帰る道中にあり、また会社から少し離れているため同じ会社の人に会いにくいからである。
『俺は別に知られても構わない』
そう江崎課長は言っていたけど。
私は気にするのよ!もの凄く‼︎
江崎課長と2人きりの食事よ?
ばれたら生きて帰ってこれない。
少なくとも総務のお姉様方に、恐ろしい目をされながら仕事していかなければいけない。
…絶対無理!
「千夏」
「は、はい!」
後ろから呼ばれ驚いて振り返ると、少し息の上がった江崎課長がいた。
もしかして走ってきたのかな?
そうだとしたら…かなり嬉しい。
「寒いから構内か、コンビニで待っていてくれたら良かったのに」
「いえ!ついさっきまでいましたよ」
そう言うと、江崎課長はスッと両手を伸ばして私の頬に触れた。
江崎課長の温かい手が、直に肌に触れて平然という言葉が頭からなくなった。