初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
「な、何ですかここ…」
連れて来られたのは、予想以上に豪華そうなイタリアンレストラン。
まさかここに入るんですか⁉︎
江崎課長は自宅に入るように、普通に入って行く。
私にとっては非日常過ぎて、中々足が進まなかった。
中は落ち着いた雰囲気の漂う空間だった。白い壁にほんのりと光る灯りがちょうど良い。
それでも私は緊張が止まらなかった。
それは席に案内されてからも同じだった。
「こういうところは初めてか?」
「はい…テーブルマナーとか分からないし、何を食べたらいいのかもさっぱりで…」
自分の経験の無さに恥ずかしくなる。
ネットでテーブルマナーなんかを調べてみたものの、文字の説明だけではよく分からなかった。
「江崎課長はよく来られるんですか?」
「そうだな…よくではないが時々来るな」
そうか…私とは住む世界が少し違うのかな?
そんなことを感じて、不安になってくる。
「苦手な物とかあるか?」
「いえ、特にはないです」
「じゃあ俺のオススメでもいいか?」
「はい」
メニューを見てもピンとこない私より、江崎課長に任せた方が絶対いい。
お願いすると、江崎課長は店員を呼んでスラスラと注文をした。