初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
「こいつは俺の大学時代の親友で、ここのオーナーなんだ。個人的にも世話になってるし、接待なんかの時にも世話になってる」


置いてけぼりの私に気付いた江崎課長は、男性を紹介してくれた。


「宮川裕人っていいます」

「あ、小西千夏です」


そう慌てて紹介すると、宮川さんは「今晩はゆっくりしていってね」と言った後少し声のボリュームを落として、


「小西さんは和也の彼女さんかな?」


と聞いてきた。


「え、えっと…」


そういえば何なのだろう?
一応お試しで付き合っているのだから、彼女でいいのかな?
でも「はい、そうです」って堂々と言うのも…。


「正式な彼女ではない。しかし、いずれはそうなってほしいと思ってる」

「へぇー和也にしてはちょっと冒険してるよね」

「どういう意味だ」


そう言いながら江崎課長は宮川さんと笑った。

…いつも江崎課長は私が困った時に助けてくれる。
それもさりげなく。

その姿が恋する私にはもの凄くかっこ良く映った。


「でも小西さん凄いよ」

「何がですか?」


急に話がふられて少し焦った。


「和也ここによく来るけど、女の子連れて来たことないよね。あるとしたらお姉さん?」

「裕人もう戻れ」


茶化すように言う宮川さんを江崎課長は追い払ってしまった。
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