初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
11.噂を信じるのか
気付けば月曜日。
私はいつものように仕事に取りかかっていた。
金曜日の江崎課長との食事が終わってから、仕事中でも関わらず考えるのは告白のこと。
どのタイミングで言ったらいいのかとか、何て言ったらいいのかとか。
由依は「その時のフィーリングよ!」なんて、ハードル高いことを言うが絶対無理だ。
フィーリングでいけるなら、今こんな風に悩んでいない。
…気分入れ替えようっと。
このまま悩んでいても仕方ない。
とにかく今は仕事に集中しなければ。
そう思い、空になったカップを持って給湯室へ向かった。
「何を飲もうかなー」
「私はミルクココア!」
どうやら給湯室には先客がいたらしい。
声は女性で二人。どちらも若い感じがする。
しかし聞いたことがない。
庶務とかの子かな…。
そう思いながらあくのを待っていると、一人が少し声を潜めた。
「ねぇ、あの話知ってる?」
もちろん聞くつもりなんて、さらさらなかったが今更空のカップを持って戻れない。
聞き流そうと決め、残ることにした。