初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
「ごめん遅れた!でも聞いてよ?今日なんか課長の裁決がやたらと長くて…て、千夏お箸持ったまま何も進んでないよ」
「うん」
「…何かあったね。しかもあの人関連で」
あの場面に遭遇して何日かが過ぎた。
もうすぐで一週間が経とうというはずなのに、私の中では時間が全く進んでいない。
由依は放心状態の私を見て、しばらく考え座ったばかりだというのに立ち上がった。
「由依?」
「事情聴取は違うところでね」
そう言って笑う由依にいつもなら冷静にツッコミを入れられるのに、今日ばかりは無言で頷き素直に由依の後をついて行くことにした。
そんな私を見て由依は、
「これは重症だわ…」
と呟いていた。
連れて来られたのは、2階だった。
2階は何の部署もなく、大小の会議室だったり何処のかさえ分からない倉庫がある階だ。
由依はその大小の会議室が並ぶ廊下を歩いていき、ある扉の前で止まった。
「ここ、実は会議室じゃないのよ」
そう言いながら由依は扉を開けた。