初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました

由依side


お手洗いから戻ると、千夏の様子がおかしかった。
顔は真っ赤だし、目はトロンとしているし。
まるで酔ったみたいだ。

千夏は驚くぐらいお酒に弱い。
どんなに度数が低くても一杯飲めばアウト。

今日も飲み会だし気を付けて見ていたけど…。

まさか、お手洗いに行った間にやられているとは。


「原さん何飲ませたんですか」

「んー?スクリュードライバー」

「何そこそこ度数の高いもの飲ませているんですか!」


千夏のことだからジュースだとか言われて飲んだんだろうな…。
いや、飲ませる原さんも原さんよね!


…原さんを責めたところで意味はない。
とにかく千夏に水を。

そう思い水を頼もうとするとおもむろに千夏が、


「…江崎課長のバカ」


と言った。

思わず周りを見たが、幸いなことに皆お酒やお喋りに夢中で誰も気にしていない。

聞いているのは私と原さんだけ。
原さんはもう仕方が無い。

しかし、この人は薄々感じていたんだろうな…課長の気持ちに。
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