初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
13.真実は
「んっ…」
目を覚ますと、私はベッドの中にいた。
それも知らないベッドに。
当然頭は真っ白だった。
飲み会の半分以上記憶のない私は、もちろんこの場所に来た記憶がない。
起き上がってみると、飲み会の服装のままだった。
シワがいってしまっているだろうけど、それどころではない。
荷物は?
いや、それより本当にここどこ?
誰が連れて来たの…?
薄暗い部屋に不安が増してくる。
とにかくこの部屋から出ようとかけてあった毛布をのけた時。
ガチャッとゆっくり扉が開いた。
「起きたか」
「江崎課長…」
部屋に入ってきたのはスーツ姿の江崎課長だった。
上着は脱いでいて、ニットを着ている。
こんな状況下でもかっこいいと思ってしまった。
「頭は痛くないか?」
「だ、大丈夫です…」
痛くないと言えば嘘になるけど、この人に迷惑をかけたくないし心配させたくもない。
江崎課長は「そうか」と言って、ベッドのヘッドボードに一杯の水を置いた。