初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
由依が言っているのはもちろん土曜日の朝のこと。
驚いたとは言ったけど何も怒ったとは言っていない。

私の反論も聞かず由依の話は続く。

「そもそも土日はなんかあるんだろうなと思って、あえて連絡しなかったのよ?そしたら何?土曜日の昼過ぎに帰って日曜日は一人で過ごしたですって?」


だって江崎課長がゆっくり休めって…。
そう言いたかったけど言えなかった。


「彼女の自分に対する呼び方は以前のまま、しかもキスの一つもなし…課長が大切にしてるってことはよく分かるけど、さすがにかわいそうよ」


痛いところをつかれてしまった。
…でも事実だ。

私は江崎課長の優しさに無意識に甘えていたのかもしれない。
別に急がなくても待っていてくれている。
そう思ったのかもしれない。

しかし冷静に考えてみれば、いつまでも待っていてくれるとは限らない。
いつ離れてしまうか分からないのだ。


「…どうしよう由依」


『いつか離れる』
そう思うとなんとかしないと、と思うものの経験のない私は一体どこからなんとかしないといけないのか分からない。
頼れるのは由依しかいない。
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