初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
江崎課長の家はマンションの一室だが、思っていた以上に広かった。
そして何よりシンプル。
見たのはリビングぐらいだが、私が思う男の人の部屋とは真逆だった。

江崎課長の部屋ってこんな感じだったんだ…。

来るのは2回目。
しかしゆっくり見るのは初めてだった。
1回目の時は酔いがかすかに残っていたし、何より江崎課長がすぐ近くにいてゆっくり見るだなんて不可能だったからだ。

しばらくの間、部屋をボーッと眺めふと疑問に思った。

江崎課長が帰ってくるまで私は何をしていればいいの?
勝手に家の中をウロウロするのは失礼だし…かといって何もしないでいるのも違うような気が…。

皆男の人の部屋に来たら何をして待っているのだろう。
さすがに由依に聞くわけにもいかず、経験も知識もない頭で必死に考えた。
結果思いついたのは。


「失礼しまーす…」


江崎課長のために何かを作ってあげようということ。
勝手にキッチンを使うのはダメかなと感じつつも、遅くまで仕事してこの寒い中帰ってくる江崎課長のために何か温かいものを作って食べてほしかった。

決めたからには、後は行動するのみ。
ゆっくりながら、冷蔵庫をあけた。
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