不道徳でも愛してる〜歪んだ愛のカタチ〜【短編:完結】
不道徳でも愛してる〜歪んだ愛のカタチ〜
……ガチャガチャ。
私を駅まで迎えに来てくれた彼が
マンションのドアの鍵を開けて
『どうぞ。』
と、笑顔で私を中に入れると
リビングへと案内してくれた。
「……凄い!!広いね。
いいとこ見つけたんだね。」
11階の2LDKの高層マンション。
初めて見るその広さに
窓から景色を眺めて感激していると
『…だろ?掘り出し物件だよ。
俺もまあ…思い切ったよ。
ほらコーヒー入れたから
早くこっちに来いよ。』
コーヒーを入れてくれた彼は
ソファーの前のテーブルに
トレーごと置いた。
そしてソファーに座った彼は
トントンと自分の隣に座るように促した。
「……うん。」
私は頬をほんのり紅くしながら
彼の隣に座ると
砂糖とミルクが程よく溶け合った
私好みの味のコーヒーを堪能した。
『…そうそう。
これ…このマンションの鍵な。』
そう言って彼はポケットから
私の好きなブランドのキーホルダーに
つけられた彼のマンションの
合鍵を取り出すと私の手の平に置いた。
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