不道徳でも愛してる〜歪んだ愛のカタチ〜【短編:完結】
「…ありがとう。」
私は飲み終えたカップを置いて
鍵を受け取った。
『…いよいよ来週から
一緒に暮らせるな。
ずっと待ち遠しかったよ…。
明日一緒にアパート行って
俺も荷造り手伝うよ…。』
そう言って彼は私を引き寄せて
触れるだけのキスをすると
『唯音(ユイネ)…待たせてごめんな。 』
と、私を慈しむように抱き締めた。
「……静樹(シズキ)。」
躊躇いながらも
私はそっと彼の背中に腕を回した。
20歳の私、唯音は
遠方に住んでいた27歳の彼、静樹が
ファミリー向け高層マンションを
購入して引っ越したのを機に
『…俺と生涯一緒に暮らそう。』
と、まるでプロポーズみたいな言葉で
一緒に暮らす事を提案された私は
勿論即答した。
私は高校卒業後就職した会社を退職し
住んでいるアパートの退去手続きも取り
来週から彼と一緒に暮らす事になった。
「私も静樹と2人で暮らせるなんて
何だか夢みたいで凄く嬉しいよ…。」
そう言って彼の胸でスリスリすると
『……唯音…可愛い過ぎる。』
彼は私の唇に何度もキスを落とした。