不道徳でも愛してる〜歪んだ愛のカタチ〜【短編:完結】
長いキスの後お互いの唇が離れ
「…ねぇ静樹。
菜穂(なほ)さんには
本当に悪い事しちゃったね。」
俯きながら彼のシャツを掴んだ。
すると
『…別に俺とアイツが離婚したのは
唯音の所為じゃないって
何度も言ってるだろう?』
彼は私の頭を優しく撫でた。
私の大好きな彼…静樹は
入籍だけの夫婦だった
奥さんの菜穂さんと
先月離婚したばかりだった。
『…だいたい俺は何度も
アイツからのプロポーズを断っていた。
なのに諦めてくれないから
『俺が愛しているのは唯音だけだ。
お前の事は愛さないし、抱く気もない。
一緒に暮らしたくもない。
結婚式も指輪もしない。
どんな時でも唯音を優先する。
万が一唯音に逆恨みするような
馬鹿な真似をしたら警察に突き出す。
遺産も渡さない。』
と最初から断言したのに
それでもいいなんて言うから
仕方なく入籍してやったけど
やっぱり無理だったと
音を上げて離婚届渡してくれたよ。』
そう言って彼は
『…俺は唯音を愛してる。
唯音がいてくれればそれでいいんだ。』
と言いながら
再び私に熱いキスを落とした。