不道徳でも愛してる〜歪んだ愛のカタチ〜【短編:完結】
彼の左手薬指にも
私の薬指に輝くモノとデザインが似た
プラチナリングがはめられていた。
彼からの気持ちと思いがけない贈り物に
胸がいっぱいになり、涙が頬を伝った。
「……静樹…ありがとう。
凄く素敵で嬉しいけど…いいの?」
私達は…。と言いかけた私に
『俺達が別に
指輪しちゃいけない決まりはない。
俺は一生…唯音だけを愛してるから
これは俺の決意と気持ちだ。
結婚式してやれないけど
代わりにウエディングドレスだけは
着せてやりたいから
来月2人だけで
記念写真を撮りに行くよ。」
彼は私の涙を指で拭いながら微笑んだ。
「……静樹。」
彼の傍にいられるだけでも嬉しいのに
女の子の憧れを叶えさせてくれる彼に
ますます涙が込み上げた。
彼は私の左手薬指にキスを落とし
後頭部を引き寄せて
唇にも触れるだけのキスをすると
『…悪いけど、もう限界。
最近唯音不足だったから
今すぐ……唯音が欲しい。』
そう言って彼は
『唯音……愛してる。』
と、私の体に再び唇を這わせた。