南柯と胡蝶の夢物語
あんまり普通に存在しているので驚くタイミングを見失ってしまった。
代わりに外に出なかった驚きが心拍となってバクバクと血液を巡らせる。
固まった首をギクシャクと動かして隣を見てみると、最初に見えたのはキラキラと光を反射する、銀か水色に見える髪の毛だった。
次に目が合った。
銀白色に光る瞳は瞳孔が昼の猫のように縦に細くなっていて鋼のような冷徹さを感じさせる。
その後に殆ど真っ白で壁紙に同化していた肌を初めて認識したところで穂月の口が動いた。
「誰」
「私です」
口から零れたその問いに間髪入れずに答えが返ってくる。
真っ白なそいつはにやにやと面白そうに笑いながら続けた。
「睨まないでいただきたいですね。名前なんて無いんだからさ?そんな不便なものを使ってるのはあんた達だけですよ」
意味がわからないまま、穂月は取り敢えず半分反射で応えてしまう。
「日本語で喋れ」
「あっはは!怖い怖い。そうですね、さすがに」
そこで一旦言葉を切ると、更に意地の悪い笑顔を浮かべ直してから続けた。
「人を殺し損ねただけはあるってことだ」
代わりに外に出なかった驚きが心拍となってバクバクと血液を巡らせる。
固まった首をギクシャクと動かして隣を見てみると、最初に見えたのはキラキラと光を反射する、銀か水色に見える髪の毛だった。
次に目が合った。
銀白色に光る瞳は瞳孔が昼の猫のように縦に細くなっていて鋼のような冷徹さを感じさせる。
その後に殆ど真っ白で壁紙に同化していた肌を初めて認識したところで穂月の口が動いた。
「誰」
「私です」
口から零れたその問いに間髪入れずに答えが返ってくる。
真っ白なそいつはにやにやと面白そうに笑いながら続けた。
「睨まないでいただきたいですね。名前なんて無いんだからさ?そんな不便なものを使ってるのはあんた達だけですよ」
意味がわからないまま、穂月は取り敢えず半分反射で応えてしまう。
「日本語で喋れ」
「あっはは!怖い怖い。そうですね、さすがに」
そこで一旦言葉を切ると、更に意地の悪い笑顔を浮かべ直してから続けた。
「人を殺し損ねただけはあるってことだ」