たかしと父さん
再再々10代
高校3年が近づくころ、とうとう、僕らのところに大変なモノが近づいてきた。進路だ。そんな休み時間、さらがすごく微妙な表情をしている。
「・・・」
「どうした?」
「・・・言いにくいんだけど」
「何?」
さらがなかなか続きを言わない。こういうことは珍しい。
「・・・ウチのお父さんがね?」
「お・・・おう!」
お父さんときたか!
「・・・・・って」
「あ、聞こえなかった」
さらは大きく息を吸うと吐き出した。
「ウチのお父さんが『たかし君のお父さんとお母さんに会いたい』って!」
教室が静まり返った。思わず僕が教室の中を見回した。なぜか早めに来ていた担任(2年になるとき英語教師に変わった)もその場にいた。
「おい、お前らも真剣に進路のこと考えろよ。」
なぜか教師がコメントした。
「何か怒られるようなことしたの・・・かな?」
さらはちょっと怒っていた。
「絶対してない・・・むしろ、何にもしてない!」
最近ちょっとその件で僕は責められている・・・ような気がする。無言のプレッシャーだ。そして、今の一言で僕らに声をかけようとしていた担任がひるんで黙った。
「そ・・・それは・・・」
さらが急に小声になる。
「皆はもうとっくに『済ませてる』って思ってる!」
これはもう何度も聞いたくだりだ・・・でも、怖いんだ。さらの身体は僕が最初に思っていたよりずっと弱いらしい。だから、家から一番近い高校を選んだと聞かされた。
「・・・でも、ウチのお父さんは『ごあいさつに行く』って言って聞かないの。」
「そ・・・それは単なるご挨拶じゃないの?」
でも違った。
「・・・」
「どうした?」
「・・・言いにくいんだけど」
「何?」
さらがなかなか続きを言わない。こういうことは珍しい。
「・・・ウチのお父さんがね?」
「お・・・おう!」
お父さんときたか!
「・・・・・って」
「あ、聞こえなかった」
さらは大きく息を吸うと吐き出した。
「ウチのお父さんが『たかし君のお父さんとお母さんに会いたい』って!」
教室が静まり返った。思わず僕が教室の中を見回した。なぜか早めに来ていた担任(2年になるとき英語教師に変わった)もその場にいた。
「おい、お前らも真剣に進路のこと考えろよ。」
なぜか教師がコメントした。
「何か怒られるようなことしたの・・・かな?」
さらはちょっと怒っていた。
「絶対してない・・・むしろ、何にもしてない!」
最近ちょっとその件で僕は責められている・・・ような気がする。無言のプレッシャーだ。そして、今の一言で僕らに声をかけようとしていた担任がひるんで黙った。
「そ・・・それは・・・」
さらが急に小声になる。
「皆はもうとっくに『済ませてる』って思ってる!」
これはもう何度も聞いたくだりだ・・・でも、怖いんだ。さらの身体は僕が最初に思っていたよりずっと弱いらしい。だから、家から一番近い高校を選んだと聞かされた。
「・・・でも、ウチのお父さんは『ごあいさつに行く』って言って聞かないの。」
「そ・・・それは単なるご挨拶じゃないの?」
でも違った。