たかしと父さん
その日の夜、恐ろしい経験をした。学校から帰り、シャワーを浴び、薬を飲んで眠ろうとしたら胸が苦しい。頭は隅から隅まで篠宮さんのことで一杯になり、胸は何かに強い力で搾られているようだし、両腕も、両脚も篠宮さんのことが抱きしめたくて仕方がない。
「なんで昼間、保健室であった時に『ギュー』ってしなかったんだろう!!」
理由は簡単だ。そんなことできないからだ!!
「そんなことできるかよ・・・」
家族に聞こえないように小声で・・・かつ大胆に自問自答する。
「あー・・・なんで昼間あった時に『ギュー』ってしなかったんだろう!!」
理由はすごく簡単だ。そんなことできるわけがないからだ!!・・・でも、あんなにかわいかったらギューってしたくなる。そういうものだろう。
「あれ?ということは僕以外にも篠宮さんのことがギューってしたい奴がクラスに・・・」
そう気づいたタイミングで誰かが部屋をノックした。
「たかし、寝れないの?また、熱上がってきた?」
「いや、違うよ。」
僕はとても冷静に返事を返した。どうも母親の声には、篠宮さんにやられている僕の脳みそを鎮静化する効果があるらしい。・・・恐ろしいことだ。僕は母親のちょっかいを受けないためにさらに小声で自問自答する。
「・・・僕以外にも篠宮さんの事をギューってしたい奴がいるかもしれない・・・っていうか」
部屋が静まり返る。僕はベッドの上で急にとんでもないことを考えた。
「篠宮さんって彼氏いるのかな・・・」
それを篠宮さんに確認するためには、僕が篠宮さんのことを好きだということがばれるということだ。結局、それからも毎晩続く篠宮さんをギューってしたい苦しみと、彼氏がいるかもしれないという不安感と、いるかいないかも分からない彼氏に対する嫉妬と、彼氏がいたとしたらどんなことをしてるんだろうっていう妄想と、どんな過去があっても篠宮さんを僕は見損なったりしないよという決心と、わけのわからない独り言で、すっかり睡眠不足になってげっそりしてきたころ、僕はこれが恋だと気づいた。
「なんで昼間、保健室であった時に『ギュー』ってしなかったんだろう!!」
理由は簡単だ。そんなことできないからだ!!
「そんなことできるかよ・・・」
家族に聞こえないように小声で・・・かつ大胆に自問自答する。
「あー・・・なんで昼間あった時に『ギュー』ってしなかったんだろう!!」
理由はすごく簡単だ。そんなことできるわけがないからだ!!・・・でも、あんなにかわいかったらギューってしたくなる。そういうものだろう。
「あれ?ということは僕以外にも篠宮さんのことがギューってしたい奴がクラスに・・・」
そう気づいたタイミングで誰かが部屋をノックした。
「たかし、寝れないの?また、熱上がってきた?」
「いや、違うよ。」
僕はとても冷静に返事を返した。どうも母親の声には、篠宮さんにやられている僕の脳みそを鎮静化する効果があるらしい。・・・恐ろしいことだ。僕は母親のちょっかいを受けないためにさらに小声で自問自答する。
「・・・僕以外にも篠宮さんの事をギューってしたい奴がいるかもしれない・・・っていうか」
部屋が静まり返る。僕はベッドの上で急にとんでもないことを考えた。
「篠宮さんって彼氏いるのかな・・・」
それを篠宮さんに確認するためには、僕が篠宮さんのことを好きだということがばれるということだ。結局、それからも毎晩続く篠宮さんをギューってしたい苦しみと、彼氏がいるかもしれないという不安感と、いるかいないかも分からない彼氏に対する嫉妬と、彼氏がいたとしたらどんなことをしてるんだろうっていう妄想と、どんな過去があっても篠宮さんを僕は見損なったりしないよという決心と、わけのわからない独り言で、すっかり睡眠不足になってげっそりしてきたころ、僕はこれが恋だと気づいた。