たかしと父さん
保健室に飛び込んだ僕を篠宮さんの両目が見ていた。
「篠宮さん?」
「新田くん?」
いや、おかしい。冷静になれ。篠宮さんの「新田くん?」は正しい。だって、篠宮さんは僕がここに来るなんて知らなかったんだから。でも、僕の「篠宮さん?」はおかしい。僕は知っててここに来たのに。でも・・・
「・・・篠宮さんに会えたのが奇跡みたいだ。」
「えっ!新田くん!?」
僕はそのままその場に膝からへたり込んだ。
篠宮さんは普通に保健室の椅子に座っていて壁ドンする壁もない。僕は今からなにか格好をつけようにも、もう膝に力が入らない。しかも「篠宮さんに会えたのが奇跡みたいだ」って言っちゃった。
「僕・・・僕・・・篠宮さんに3回告白できたら篠宮さんと付き合ってもらえると思ってここに来たんだけど・・・」
頬を伝う涙に気づいた。ものすごい温度だ。頬が焼けそうだ。・・・でも今はそんなことどうでもよかった。
「・・・そんなことできん!1回しかできん!!」
涙でゆがむ篠宮さんがティッシュ箱を持って僕に近づいてくる。優しい篠宮さん、こんな情けない僕のためにティッシュ箱持ってきてくれるなんて・・・でも今は最後まで言うしかない。ティッシュを差し出しながら何か言おうとする篠宮さんを片手で制して僕は言った。
「・・・僕、篠宮さんのことが初めて会った日からずっと好きでした!」
僕はとんでもないことをしでかしたと気付いていた・・・けれども、僕を長い間苦しめていたずっしりとした何かから僕は解き放たれた事も分かっていた。もう保健室のすぐそばまで夏が近づいていた。
「篠宮さん?」
「新田くん?」
いや、おかしい。冷静になれ。篠宮さんの「新田くん?」は正しい。だって、篠宮さんは僕がここに来るなんて知らなかったんだから。でも、僕の「篠宮さん?」はおかしい。僕は知っててここに来たのに。でも・・・
「・・・篠宮さんに会えたのが奇跡みたいだ。」
「えっ!新田くん!?」
僕はそのままその場に膝からへたり込んだ。
篠宮さんは普通に保健室の椅子に座っていて壁ドンする壁もない。僕は今からなにか格好をつけようにも、もう膝に力が入らない。しかも「篠宮さんに会えたのが奇跡みたいだ」って言っちゃった。
「僕・・・僕・・・篠宮さんに3回告白できたら篠宮さんと付き合ってもらえると思ってここに来たんだけど・・・」
頬を伝う涙に気づいた。ものすごい温度だ。頬が焼けそうだ。・・・でも今はそんなことどうでもよかった。
「・・・そんなことできん!1回しかできん!!」
涙でゆがむ篠宮さんがティッシュ箱を持って僕に近づいてくる。優しい篠宮さん、こんな情けない僕のためにティッシュ箱持ってきてくれるなんて・・・でも今は最後まで言うしかない。ティッシュを差し出しながら何か言おうとする篠宮さんを片手で制して僕は言った。
「・・・僕、篠宮さんのことが初めて会った日からずっと好きでした!」
僕はとんでもないことをしでかしたと気付いていた・・・けれども、僕を長い間苦しめていたずっしりとした何かから僕は解き放たれた事も分かっていた。もう保健室のすぐそばまで夏が近づいていた。