君の名を呼んで
しつけ直す必要がある
朔とすず、そして舞華さんの出演する映画の撮影が始まって。
私の傍にはいつも朔かすずが居て、舞華さんが私に近づくのを警戒していた。
「これじゃどっちがマネージャーかわからないじゃない。私なら大丈夫だよ」
私はそう言って朔達を宥めていたけど、ことのほかすずはあのプロデューサーの一件に責任を感じているようだった。
「絶対絶対、すずから離れちゃダメだから!」
……あなた私のママですか……。
「それに美倉舞華だけじゃないもん!雪姫ちゃんを狙ってるのは」
すずはそう言って、拳を握りしめた。
う〜ん、随分心配かけてるなあ。
彼女を宥めて、出番だよ、と送り出す。
「え~と、すずはストレートティーで、朔はコーヒーで」
撮影の合間に、差し入れを並べられたテーブルで彼女達の飲み物を紙コップに入れる。
台詞の多い役だし、今日は乾燥気味。ちょっとでも水分を取ってもらえるように。
「僕にも貰えますか」
後ろから掛けられた声に、
「……はい」
私は恐る恐る、振り返った。
そこにいたのは蓮見貴雅(はすみたかまさ)。
アイドルグループ『ジェイズ』のメンバーで、今回の共演者。
そして。
「今日も可愛いね、雪姫さん」
すずが言うところの『超要注意人物』――。
私の傍にはいつも朔かすずが居て、舞華さんが私に近づくのを警戒していた。
「これじゃどっちがマネージャーかわからないじゃない。私なら大丈夫だよ」
私はそう言って朔達を宥めていたけど、ことのほかすずはあのプロデューサーの一件に責任を感じているようだった。
「絶対絶対、すずから離れちゃダメだから!」
……あなた私のママですか……。
「それに美倉舞華だけじゃないもん!雪姫ちゃんを狙ってるのは」
すずはそう言って、拳を握りしめた。
う〜ん、随分心配かけてるなあ。
彼女を宥めて、出番だよ、と送り出す。
「え~と、すずはストレートティーで、朔はコーヒーで」
撮影の合間に、差し入れを並べられたテーブルで彼女達の飲み物を紙コップに入れる。
台詞の多い役だし、今日は乾燥気味。ちょっとでも水分を取ってもらえるように。
「僕にも貰えますか」
後ろから掛けられた声に、
「……はい」
私は恐る恐る、振り返った。
そこにいたのは蓮見貴雅(はすみたかまさ)。
アイドルグループ『ジェイズ』のメンバーで、今回の共演者。
そして。
「今日も可愛いね、雪姫さん」
すずが言うところの『超要注意人物』――。